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桃太郎のお供の動物の、分類上の細かさが「キジ」だけ細かいという指摘は、誤りです

昔話の『桃太郎』の内容に対するツッコミとして、

「桃太郎のお供の動物は、犬、猿、キジの3匹だけど、“キジ”だけ細かい種類名で呼んでいるのはおかしい!!統一するなら、犬、猿、鳥とするべきだ!!」

という指摘をたまに見かけます。
しかし、この指摘は的外れです。

生物の分類の階級は、界・門・綱・目・科・属・種・亜種の順番で、細かい分類となります。
一般的に「犬」「猿」「キジ」と呼ばれる生き物が、生物の分類上でどのように位置づけられるかを考えると

  • 犬:哺乳綱の中の、食肉目イヌ科の、イヌ
  • 猿:哺乳綱の中の、霊長目オナガザル科の、ニホンザル
  • キジ:鳥綱の、キジ目キジ科の、キジ

上記のように表現されます。
「猿」は霊長目の動物の総称ですが、日本に生息する霊長目の動物はヒトとニホンザルだけなので、日本の昔話で単に「猿」といえばニホンザルのことを指すと考えられます。

したがって、「犬」「猿」「キジ」は、いずれも分類学上で「種」レベルの階級を表すことになります。犬、猿、キジを同列に並べて語る表現は、特に不自然な表現ではなく、「分類がキジだけ細かい」という指摘は誤りだということになります。

で、さらに言うと、最近の分類では「犬」は動物の種としては「タイリクオオカミ」で、その亜種のひとつが「イヌ(イエイヌ)」とされているらしいです。
なので、桃太郎のお供の動物3匹の「犬、猿、キジ」に対して、敢えてツッコミを入れるとすれば、

「犬だけ、亜種レベルの細かい分類だな!!」

じゃないかな~と思いました。