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愛知県陶磁美術館『日本・中国・韓国 陶磁の名品、ここに集う』展の学芸員の方による解説が熱かったです

愛知県陶磁美術館『日本・中国・韓国 陶磁の名品、ここに集う』展で、午後1時半から行われた、学芸員の方による展示解説を聞きました。主任学芸員で、この展覧会を企画、制作されたという方が、ほぼ全作品を丁寧に解説してくださいました。

この解説がすばらしかったです!各作品の見どころが分かりやすかった上に、言葉の端々に陶磁器に対する愛情がにじみでていて、すごい熱量を感じました。学芸員の方がすごく楽しそうで、作品の良さを褒める言葉の語尾に、ハートマークか音符マークが付いているようでした。何時間でも聴いてられるぜ!


以下、学芸員の方による解説でお聞きした内容を記載します。メモ等は取っておらず記憶のみで書いていますので、細かい情報に間違いがあるかもしれません。ご了承ください。

  • 展示されている作品数は60点ほどで、こういった展覧会としては数が少ないと思われるかもしれませんが、ひとつひとつの作品が本当に名品ばかりなんですよ〜♪
  • 展示解説は約1時間の予定ですが、ついついしゃべりすぎてしまって、いつも長くなってしまいます。このあいだは、2時間ぐらいしゃべっちゃったんですよ〜♪(この日の解説は1時間半ぐらいでした)
  • 縄文土器2点:これらは当館の所蔵品で、常設展によく出ているのですが、常設展コーナーは数多くの作品が並んでいて、どれが名品なのか、よくわからないですよね〜♪この展覧会のように、1点1点ていねいに展示されていると、作品の良さがよく分かりますでしょ〜♪
  • 縄文土器2点:これらの縄文土器は常設展ではガラスケースに入れて展示しているのですが、今回はガラスケース無しで、間近に作品を見て頂けるように展示しておりますよ♪素材の質感をよく見てくださいね♪
  • 大甕 須恵器・猿投窯 個人蔵:これほど大きい須恵器は非常に珍しいんですよ♪これは個人の方が所蔵されているもので、これまでに展覧会に出品されたことがない、本邦初公開の作品なんですよ♪(本当にびっくりするほど大きくて、自然釉も美しくてすごい甕でした)
  • 重要文化財 灰釉葦鷺文三耳壺 渥美窯:かつて渥美半島に存在した窯で焼かれたものです♪陶磁器に、幾何学的な文様ではなく「絵」が描かれている作品としては、最も古い時期の作品なんですよ♪
  • 鉄釉巴文瓶子:これは当館が所蔵している古瀬戸の中で、私が一番好きな作品なんです♪♪(学芸員の方のテンションが高かったです)まず形がいい!肩の部分が張った非常に美しい形です♪♪鉄釉が二重に掛かったところなど見どころも多く、鉄釉の古瀬戸を代表する名品です♪♪
  • 灰釉狛犬:これは狛犬ですが、実は香炉に改造されてるんですよ♪首のところが一度切断されて中にお香が入れられるようにされ、鼻と口には穴をあけられ、お香を置くと鼻と口から煙が出る仕掛けになってるんですよ♪
  • 鼠志野草花文鉢 重要文化財 文化庁所蔵:これは美術書に載ったりして、鼠志野の鉢として近年すごく有名になってきた作品なんですよ♪草の文様を白抜きで描いた部分と灰色の線で描いた部分が連続しており、すばらしいデザイン性ですね♪こんなデザインの作品が桃山時代に作られたとは驚きです!
  • 重要文化財 鼠志野亀甲文茶碗 銘・峯紅葉 五島美術館所蔵:これは非常に有名な作品で、茶道をやる人なら誰もが、一生に一度はこの茶碗でお茶を飲んでみたいと願う、名品中の名品です♪展示替えがあって、ここで見られるのは今日までですから、じっくり見てください♪
  • 重要文化財 黒楽茶碗 銘・時雨 光悦作 名古屋市博物館所蔵 ほか茶道具:名古屋には有名な茶碗が3つあるのですが、その3つを全部集めちゃいました♪
  • 重要文化財 色絵釘隠 伝・仁清作(扇子の形をした小さな作品が17個ぐらい並べて展示してあります):日本家屋の釘を隠すために使われた飾り物で、描かれている模様がひとつひとつ違うんですよ♪まさにこれが日本の美意識の極致ですね♪ひとつひとつじっくり見ていくと素晴らしいのですが、時間の都合で飛ばします♪
  • 三彩駱駝:高貴な方を埋葬する際の副葬品として作られたものです♪非常に生き生きとした姿でしょう♪これは、原型を陶磁器職人ではなく、仏像を彫る仏師が作ったと言われています♪日本にある三彩駱駝の中で、当館が所蔵しているこの三彩駱駝が一番立派だとおっしゃる方もいるんですよ♪
  • 国宝 飛青磁花生:今回の展覧会で唯一の国宝です♪青磁の中に、点々と鉄釉の模様がつけられたものを「飛青磁」といいます♪鉄釉による模様は、不規則ではなく、きちんと規則的に配置されているんですよ♪正面から見るとよくわかります♪
  • 青花百合唐草文碗「大明成化年製」銘:これ、なにげない作品に見えますけど、じつは、とんでもないものなんですよ♪もしもオークションに出たら、これ1個で、うん億円ですよ♪
  • 韓国陶磁コーナー:今回、韓国の陶磁器は7点しか展示されていませんが、日本にある韓国陶磁器を代表する名品がズラリと並んでいるんですよ♪
  • 韓国陶磁コーナー:このへんの作品は、大阪の東洋陶磁美術館が所蔵しているものが多いです。当館は、日本の陶磁器は名品を多く所蔵していますが、その他の東洋の作品は手薄でして、ちょっと悔し……いやいや素晴らしい作品をお借り出来て嬉しく思っています♪
  • 青花辰砂蓮花文壺 東洋陶磁美術館所蔵:これは日本にある韓国陶磁器の中でも最高峰の作品です♪形が美しく、文様も素晴らしいです♪さらに、蓮の花の部分に「辰砂(しんしゃ)」という釉薬が使われています♪辰砂は焼き上げるときの酸素の量によって色が赤くなったり緑になったりする、非常に扱いが難しい釉薬なのですが、この作品では、花の文様の中で辰砂が赤から緑へと変化していっているのです♪これは焼き上げるときの酸素の量が絶妙に変化したと考えられ、火が作り出した神秘といえます♪
  • 白磁壺 個人蔵:これ、形が歪んでますけど、このゆがみがいいんです♪ただの白い壺に見えますが、マニアにとっては垂涎の品物なんですよ♪これも個人が所蔵されているもので、本邦初公開の作品です♪個人所蔵でこれほどのレベルの作品をお借りできたのは、はっきりいって奇跡です♪
  • さいごに:これほどの作品が一堂に集まることはめったにないですよ!当館でも、あと何年後にこれほどの展覧会が開けるかわかりません!ぜひ何度も足を運んでください!

こんな感じでたっぷり解説していただきました。
この展覧会は7月28日までやってるので、行けるもんならもう1回行きたいなー


ヘーイ!


ワーーオ!